暗記

 皆様明けましておめでとうございます! 今年は競技の方もですが、このブログもどんどん成長させていきたいなと思う所存です。今は始めて間もないD級ブログだから、せめて、B級ブログぐらいにはなりたいですね…

 

 さて、そんなこんなで、新年一発目の記事は暗記について。ここでいう暗記は試合中に行う暗記のことで、決まり字の暗記についてではないので、一応注意しておいてください。ちなみに、決まり字の暗記についてはこれらの記事が参考になるかも(決まり字紹介part1part2part3part4part5)。

 

 今回は、かなり抽象的な内容で、どちらかというと、かるたに慣れてきた中級車~上級者向けの記事になっていますが、競技かるた上達には必須なことなので、是非参考にしてみてください。

 

 

暗記

 

 

 

万人に通用する暗記方法など存在しない!?

 さて、暗記のコツの前に、競技かるた全般、いや、人生全般といっても過言ではない、一つの大原則を伝えておきます。それが、万人に通用するノウハウなど存在しないということです。

 

 例えば、史上最年少でクイーンの座につき、その後、無敗のまま10期連続でクイーンとして君臨し続けた、あの楠木早紀永世クイーン。彼女は自身の著作で、その暗記方法を語っていますが、その方法とは、いわゆる映像記憶写真記憶と呼ばれるものと推察されます。映像記憶とは、簡単に説明すると、物事を覚えるときに、対象を一枚の画像として脳に焼き付けるように覚える方法ですね。

 

 この映像記憶だが、A級選手や、A級選手の中でも、とりわけS級と呼ばれるA級大会優勝経験者の全員が、この暗記方法で競技かるたをしているか、といわれるとそんなことはない。実際私はこんな暗記方法できないからね笑

 

 そこで、今までこんな暗記方法をしたことのない私みたいな人が、「あの楠木さんがやっている暗記方法なのだから、これを身につけなければ強くなれない! 」などと意気込んで、いきなり映像記憶などやりだしたら、強くなるどころか、うまく暗記ができなくなり、「自分は競技かるた向いてないわ… 」と競技かるた自体をやめてしまうことにもなりかねない(まあ、映像記憶は幼少期の頃は誰でも持ってた能力で、後天的にも習得できるらしいので、身に着けられないことはないかもしれないですが)。

 

 …というわけで、人には向き不向きというのがあって、こんな練習したら絶対暗記できるようになる! みたいな即物的なものは存在しないよ、という前置きでした。皆さんも競技かるたに限らず、「絶対! 」とか「誰でも! 」とかいった文言や、そういうことを言う人には注意しましょう笑

 

暗記のコツ

 前置きの方で、誰にでも通用する暗記方法などない、とは書きましたが、比較的汎用性の高い方法というのは存在します。そして、大事なのはそれらの方法を、すべてうのみにするのではなく、自分の中にうまく落とし込むこと。自分の中に落とし込むには、自分との対話や、いろいろ試してみることが大事になってくるんだけど、その辺の話は別の記事で触れたいと思います。

 

暗記の速度を上げる

 一番にシンプルなのがこれ。基本的に一つのことをじっくり丁寧に暗記するよりも、さらっと何度も繰り返した方が暗記の効率は高いです。例えば、英単語の暗記などでもそうだけど、一日にじっくり10単語ずつ、10日かけて100単語を覚えるよりは、一日にさらっと100単語を覚える、というのを10日繰り返す方が断然効率がいいです。

 

 というのも、私たちの脳は日ごろから莫大な量の情報をインプットしていて、それらの情報をすべて覚えてしまうと、脳はすぐにパンクしてしまう。だから、覚えるべき情報とそうでない情報を振り分けるんだけど、そのキーとなるのが繰り返しの刺激になります。

 

 つまり、繰り返し同じ情報を送ることで、脳が、「あ、これは覚えなきゃいけない情報なんだな」と初めて認識してくれる、というわけです。これは決まり字を覚えるときにも大事なポイントですね。

 

自分が競技かるたをするための目的を強く持つ

 二つ目は目的の話。さっき脳は覚えるべき情報とそうでない情報を振り分けるって書きましたが、その振り分けの前提として、必要か不要かの判断がまず先にあるんですね。なもんで、脳が不要と判断してしまえば、いくら繰り返して脳に刺激を送ったところで、脳はいつまでたっても覚えてくれなくなります。

 

 でもって、また脳の性質の話に飛ぶんですが、脳って基本的にめんどくさがりでさぼりたがりの省エネ志向なんです。

 

 これは生存本能的なもので、脳ってものすごくエネルギー消費するから、もしものときのためにエネルギーを温存しておく傾向にあるんですね。そのために、新しいことを覚えるのはできるだけ避けたがるし、一つのことに集中するのも、周りが見えなくなって危険だから、あまり長時間はできないようになってます。

 

 しかし、そんなダメダメな脳を奮い立たせ、脳の底知れない潜在能力を引き出してくれるカンフル剤たるものも、また存在する。それが「快楽」です

 

 そもそも、私たちが生存本能に逆らってまでこんな辛い暗記という作業をするのかというと、それは端的に言って、「快楽」のためである(快楽の代わりに、「わくわく感」や、「達成感」と置き換えてもいいです)。相手に勝利したときの快楽、札を早く取れた時の快楽、自分の描く理想の取りができたときの快楽、はたまた、団体戦などで自分の勝利にチームメイトが喜んでくれるという快楽…

 

 こういった快楽をエネルギーに、脳は自分の限界を超えていく。こうした快楽の味をすっかり占めてしまったがために、本来苦痛であるはずの暗記を人並み以上に行い、決まり字ぴったりで札を取ってくるというのが、A級選手という化け物たちの正体である。

 

 というわけで、この本来苦痛であるはずの暗記という行為をしなければ得られない快楽=競技かるたをする目的が自分にとってなんなのか、そこをできる限り明確にすることで、暗記の質が大きく変わる。

 

 その辺をはっきりさせておかないと、自分が気持ちよく取れてる時はいいけど、調子が悪い時や、何戦もして疲れたとき、明らかに格上な人と対戦するときなどに、「こんな苦しいことしても仕方ないやー」って脳が判断してしまい、自分では暗記してるつもりでも、暗記が入らないということが頻繁に起こるようになります(この「暗記が入った気にさせる」ってのも、脳がさぼるときに使う常套手段)。

 

思い出すことを意識して暗記する

 これも大事なことです。そもそも暗記って暗記すること自体が目的じゃなくて、読まれた音に対して、暗記したことをもとに札を取る、ってのが最終目的ですよね。

 

 つまり暗記でポイントになってくるのは、各首が読まれた瞬間に、どのようにして手を動かすか、ということを思い出せるかどうか、というとこになってきます。

 

 読まれたときに札の近くまで手は出るんだけど、なぜか手が止まっちゃう、って人はこの辺の意識が足りてないのかもしれません。また、相手の手の動きとか、周りの動きにつられてお手付きしたり、動けなくなったりする、って人も、自分で思い出すというところまで暗記が回ってないことが多いのではないでしょうか。

 

 この、思い出すための暗記を具体的に行う方法として、よく手の動きを暗記しろ、ということが言われます。音ごとに手の動きを暗記していれば、その音を聞いた瞬間に手の動きが思い出されて、結果的に札を払いきるところまで(または札を避けるところまで)暗記できる、というのがこの方法のいいところですね。

 

 それと、皆さんよく手を動かして暗記することがあると思いますが、それも思い出すための暗記の一つです。なんとなく意識せずに手を動かして暗記していたのならば、今後この「思い出す」というところまで意識をして暗記してみると、取りこぼしが少なくなるのではないでしょうか。

 

 この思い出す暗記について個人的な話をすると、私はあまり手の動きとかをそこまで意識してはいないです。ただ、下の句に入って余韻が始まるちょっと前に目をつぶり、思い出しモードに入ることで、相手の手や、周りを気にしないようにしています。

 

 個人的には今のところこれがしっくりきているので、しばらく続けているという感じです。皆さんもぜひ、思い出すことまでをしっかり意識して、暗記してみてください。

 

口を動かして覚えてみる

 今まではかなり抽象的な話ばかりでしたが、最後はいたってシンプルで、口を動かして暗記をするというもの。強い人を見ていても、かなり口が動いている人いますよね。あれは本当に効果的で、目だけじゃなくて耳でも暗記できるのがポイント。

 

 個人的なイメージでは、疲れているときでも、最低限の暗記を保証してくれている感じです。意外と、疲れているときに口を動かして暗記するのは労力がいるので、その分、脳にしっかり情報が伝わっているんだなと実感することがしばしば。

 

 脳が覚えたふりしているのを見破れるし、何より、この試合は集中できたなーってときは、たいてい喉がカラッカラになっているので、割と口を動かす量と暗記の質は関連しているんじゃないかなーと個人的には思っているところがあります。

 

おわりに

 さて、今回は暗記についてでしたが、いかがだったでしょうか?

 

 正直暗記の方法を鍛え、工夫することが、競技かるたの実力をあげること、といっても過言ではないです。それほど大きい分野なので、かなり抽象的で、上級者向けの記事になっちゃってますが、皆さんがこの記事をきっかけに、何かしらのヒントをつかんでもらえれば幸いです。

 

暗記についての記事は他にもたくさん書いてますので、よければ参考にしてください。

 

参照→暗記力を鍛え、拾える札を増やす方法

参照→暗記のコツ?気合いだよ気合い!

参照→前の試合の暗記を忘れる方法

 

それでは!