円陣

 競技かるたは、基本的に1対1で行う競技ですが、高校選手権や大学選手権、国民文化祭など、複数人でチームを組んで対戦する大会も存在します。

 

 普通の1対1の対戦を個人戦というのに対し、こういったチーム同士で戦う形式を団体戦といいます。

 

 この団体戦、基本的には個人戦を3~5本同時に取るだけですので、個人戦とそこまで変わらないのですが、ところどころ個人戦と違うところも出てきます。

 

 そこで、今回は、そもそも団体戦とはどういったものか、という団体戦の基礎を解説していきます。団体戦を初めてやるよ、という初心者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

円陣

 

 

 

団体戦の基本ルール

 団体戦は、まず同じ学校や、かるた会から6~8人くらいの選手を選び、1チームとして結成します(大会によって、登録できる選手の上限が決められています)。

 

 また、各チームは登録した選手の将順を決めておきます(主将、副将、三将・・・八将という風に)。これは、トーナメント方式では意味を持ちませんが、リーグ戦方式では重要になってきます。

 

 さて、1チーム6~8人登録しましたが、実際に試合するのは3人、もしくは5人です(たまに7人とかもあります)。そして、この対戦で過半数の選手が勝ったチームが団体戦の勝利チームとなるのです(3人団体なら2人以上、5人団体なら3人以上の選手が勝ったチームが、団体として勝ちになる)。

 

 このため、団体戦において、4人団体や、6人団体などといった、偶数の選手を出し合って対戦することはありません(2勝2敗などになると、勝敗がつけられないため)。

 

 なお、お互いのチームで、どの選手とどの選手が対戦するかは、対戦開始前に出場選手に数字(3人団体なら1~3、5人団体なら1~5)を決めてもらい、同じ数字の人同士が対戦する、といった感じで決まります。

 

団体戦の華、声掛けについて

 団体戦と個人戦で、いろいろと違いはあるのですが、その最たるものが、団体戦は試合中に声掛けができる、ということでしょう。

 

 基本、かるたは孤独な闘いで、落ち込んだ時や、流れがよくないときでも、自分で何とかしなければいけないのですが、団体戦では、仲間から声をかけてもらったり、また自分が声をかけることによって、気持ちや流れを引き戻すことができます。

 

 この声掛けですが、団体戦においてはチームのカラーを決める、とても大事な要素である、と私は考えています。

 

 たとえば、高校選手権はどのチームも声掛けが激しく、1枚札を取るたびにてんやわんやの大騒ぎです。これは、一人で精神を安定させることが難しい高校生が、仲間と声を掛け合うことで自分の気持ちを高めているのです。

 

 逆に、出場選手の多くを大人が占める国民文化祭では、高校選手権ほどの騒がしさはありません。福井県チームのように、黙々と個人戦に取り組むチームも存在します。これは、声掛けをするぐらいなら、試合に集中した方がいいパフォーマンスを発揮できるから、というような理由が推察されます。

 

 このように、声掛けの存在によって、個人戦と異なる、勝つためのアプローチができる、というのが団体戦の醍醐味ですね。

 

 ただし、声掛けをするにあたり、皆さんに注意してほしいことがあります。それは、相手を貶める声掛けは避けてほしい、ということです。

 

 たとえば、チームの選手を励ますために、「相手は格下だから、まだまだ逆転できるよ」とか「相手はお手付きが多いから、何もしないでも札が減っていくね」みたいな声掛けは、相手を不快にさせます。

 

 ですので、相手を下げるのではなく、「○○の実力だったら、まだまだ粘れるよ」とか、「ここから流れを取り戻そう」みたいな、自分のチームを上げる声掛けを意識してみてください。

 

 試合がヒートアップしていくと、悪気はなくてもこのような声掛けになってしまう可能性があるため、注意しましょう。

 

リーグ戦とトーナメント戦

 団体戦を面白くしている要素に、自分が勝つだけでなく、チームとして誰が勝たなければいけないか、ということを考える、というものがあります。これは、リーグ戦と呼ばれる方式だと、より顕著に表れてきます。トーナメント戦では、誰でもいいので、2本(もしくは3本)勝てば次の試合に進めますが、リーグ戦はそうともいきません。

 

 競技かるたのリーグ戦での順位の決め方は、①チームの勝ち数(勝ち点といったりします)②個人の勝ち数③将順ごとの勝ち数、という優先順位でつけられます。①が同じ数だったら②を使い、それも同じだったら③を使う、といった具合ですね。

 

 順番に軽く説明していきます。

 

①チームの勝ち数(勝ち点)

 チームが何勝したか、というものです。個人の勝ち数と区別するため、勝ち点と言ったりします。サッカーなんかと違って引き分けがないため、1勝で1点です。

 

 たとえば、A、B、C、Dの4チームでリーグ戦をした場合、Aが3勝、Bが2勝、Cが1勝、Dが0勝となった場合、勝ち点のまま順位が決まります。この際、Aが個人の勝ち数9、Bが個人の勝ち数10だとしても、順位にはなんら影響ありません。

 

 ですので、基本的には、個人の勝ちよりもチームの勝ちを狙っていくことが、団体戦の基本となります。

 

②個人の勝ち数

 それぞれの選手が勝った数です。団体戦の場において、単に勝ち数と言われた場合は、基本的にこの個人の勝ち数のことを指します。先ほどと同じ例で、勝ち点がそれぞれ、AとBが2点、CとDが1点とかだと、AとB、CとDの順位は、個人の勝ち数で決まります。

 

 ①でいったように、個人の勝ち数よりは、チームの勝ち数の方が大事ですが、同じ勝つ、負けるにしても、できるだけ多く勝った方がいいということですね。ですので、チームの負けが決まっても、せめて1勝は取りに行く、という気持ちで試合に臨むことが大事になってきます。

 

 このとき、負けてしまった人は積極的に声掛けをするなどして、最後までチームの一員として戦い抜きましょう。

 

③将順ごとの勝ち数

 個人の勝ち数まで同じだった場合は、将順が高い方の選手から勝ち数を比べていきます。たとえば、AとBが勝ち点2、勝ち数8で並んだ場合で、各チームの将順が上からの選手の勝ち数が、A:33001100 B:32210000 だった場合、主将の勝ち数は3で一緒なので、ここでも決着つかず、副将の勝ち数が3と2なので、ここで初めて決着が着き、Aチームの方が順位が上になります。

 

 注意しなければいけないのが、勝率ではなく、勝った数で順位が決まってしまうということです。

 

 たとえば、上の例で、Bチームの副将は、出た試合はすべて勝っていましたが、1試合はでなかったとします。すると、どれだけがんばっても勝ち数は2しか取れず、ここまでもつれこんでしまうと、どう頑張っても勝てない、ということになっていまいます。

 

 そのため、リーグ戦の団体戦で将順が高い人は、なるべく試合に出て、勝ち数を稼がなければならない、ということになります。

 

 実際私も、四将まで結果がもつれこみ、そこの差でぎりぎり順位が一つ上になった、ということがありました(しかも結構大事な境目でした…)。こういうこともあるため、将順はできるだけ安定した力を出せる人が上にくるように、並べて置くのがいいでしょう。

 

おわりに

 今回は団体戦の基本ということで、声掛けや、リーグ戦での順位の決め方について説明しました。

 

 特に、声掛けについては、なんとなくやっている人も多いと思いますが、自分のメンタルを強く保つため、ひいては、チームのメンタルを強く保つための、一つの手段、という形で考えてもらいたいなーと思う次第です。

 

 ところで、私は随所で、個人の勝ちよりチームの勝ちの方が重要、ということを書いていますが、個人の勝ちを捨てて団体の勝ちを追う、そんな状況が果たしてあるのでしょうか?

 

 …まあ、書いてあるからには一応あるんですよね笑

 

 それが、皆さんも一度は耳にしたことがある、札合わせというやつです。これをすることで、自陣の札さえ取られなければ、チームが勝ちになる可能性が100%になる、ということがおきるのです。

 

 さて、そんな団体戦にとって重要な札合わせですが、これについての説明は次回いたします。できるだけ早く執筆いたしますので、今しばらくお待ちくださいね。

 

それでは!