いまはただ

 競技かるたの始め方シリーズも、五回目まで来ました! たぶんこのシリーズは十回目ぐらいまでには終わるのではないかと思います。半分は決まり字紹介に費やすのでしょうが…

 

 ということで、今回は決まり字紹介part2です。三枚札と四枚札の紹介になります。数も多いことだし、さっそく始めます!

 

※下の句を見て、決まり字が思い出せるような、覚え方をしましょう

※決まり字は、現代語に準じた読み方で記載しています

 

 

決まり字紹介

三枚札

い札

「いに」

いにの札

古の 奈良の都の 八重桜 今日九重に 匂いぬるかな

覚え方:にに、いに

解説:真ん中の「にに」の文字の並びが特徴的だったのでそこをキーに。「にに、いに」ってなんか語感よくない? 「けふ」から始まる札は他にもあるのでそれ以外からキーとなる文字を探すといいだろう。

 

「いまは」

いまはの札

今はただ 思い絶えなん とばかりを 人づてならで 言うよしもがな

覚え方:昔は一つ、今は…(ひとつ、いまは)

解説:読まれる音的には「いまわ」です。決まり字を覚える中で、悩みの種になるのが、この札をはじめとした「ひと」から下の句が始まる札。なんと9枚もある。ただし、「ひとつ」から始まる札はこの札しかないので、今回はそれを利用してみる。昔は一つしかなかったものが、今はいっぱいある、もしくは昔は一つあったのに、今はもう何もない、みたいなイメージで覚えてもらえれば。

共札:いまこ

 

「いまこ」

いまこの札

今来んと 言いしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな

覚え方:詰まる今子

解説:詰まるって何やねん! というと、一番最後の行に注目。この歌は下の句で二回字余りをしているので、下の句の合計文字数が16文字になっています。普通札は一行に五文字印刷されているんだけど、この札だけどっかに六文字入れなきゃだめだから、最後の行が他の札に比べて詰まってるんだよね。だから「詰まる今子」。あ、今子は人の名前だよ笑

共札:いまは

 

ち札

「ちは」

ちはの札

千早ぶる 神代も聞かず 竜田川 唐紅に 水くくるとは

覚え方:紅の血派(くれない、ちは)

解説:『ちはやふる』知ってる人は言われなくても知ってるよね笑 漫画の方は「ふ」に濁点はつかないけど、実際によむときは「ちはや”ぶ”る」だから注意してね。覚え方は強引だけど、「俺は、赤色や朱色より紅の血派だ」みたいな感じで笑

 

「ちぎりき」

ちぎりきの札

契りきな かたみに袖を 絞りつつ 末の松山 波こさじとは

覚え方:末がちぎれた木(すゑ、ちぎりき)

解説:うーん、四字決まり以上は覚え方が強引になっちゃうな… 四字決まり以上は数も少ないし、先に決まり字自体を覚えちゃって、下の句からそれに近い言葉が思い出すってのがいいかもね。「まつ」って単語も木をイメージさせやすいと思うんだけど… どうかな?

共札:ちぎりお

 

「ちぎりお」

ちぎりおの札

契りおきし させもが露を 命にて 哀れ今年の 秋もいぬめり

覚え方:犬のメリーの尾がちぎれる(いぬめり、ちぎりお)

解説:これは、なかなか強烈な覚え方だよね笑 私がかるた始めたての頃先輩から聞いた覚え方なんだけど、強烈すぎてまだ頭に残ってた。最後の「いぬめり」が犬のメリー、尾(お)がちぎれるで「ちぎりお」を表す。…この犬のメリーは人形ということにしておこうか。

共札:ちぎりき

 

ひ札

「ひさ」

ひさの札

久方の 光のどけき 春の日に しづこころなく 花の散るらむ

覚え方:志津子、久しぶり!(しつこ、ひさ)

解説:またまた人名シリーズ。○○子ってのは使いやすいねー それ以外は特にいうことないかな…

 

「ひとは」

ひとはの札

人はいさ 心も知らず 故郷は 花ぞ昔の 香ににおいける

覚え方:話そう! 一輪(ひとわ)になって(はなそ、ひとは)

解説:読まれる音的には「ひとわ」です。覚え方は、さあ、話そう! →どうやって? →一つの輪(ひとわ)になって! みたいなイメージです。よく見たら前回出てきた「もろ」に似てるな、この札。「はな」から始まって途中に「カニ」まで出てくるし… もしややこしくなるようだったら、二枚を区別づける専用の覚え方を考えた方がいいと思います!

共札:ひとも

 

「ひとも」

ひともの札

人も惜し 人も恨めし あじきなく 世を思うゆえに もの思う身は

覚え方:世を思う人もいる(よをおもふ、ひとも)

解説:今回は割とシンプルにできた。でも逆にインパクトないから印象に残りにくいかも… なんかインパクトある覚え方他に思い付いた人は、そっちで覚える方がいいかも。

共札:ひとは

 

き札

「きり」

きりの札

きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む

覚え方:き(ひと)り

解説:前回の「つき」と同じように真ん中に決まり字が隠れてるパターンだね。このパターンもしかしたら覚えにくかったりするのかな… もしそうだったとしたら教えてください! 別のパターン考えてみるので。

 

「きみがためを」

きみがためをの札

君がため 惜しからざりし 命さえ 長くもがなと 思いけるかな

覚え方:長く、君を…(ながく、きみを)

解説:大山札は決まり字が長いのでよく三文字ぐらいに略されたりします。今回の「きみがためを」だったら「きみを」みたいな。「ちぎりき」のところでも説明したけど、決まり字が長い札は、下の句から決まり字に近いものをおおざっぱに思い出して、そこから先に記憶している決まり字に当てはめる、っていう回路のほうが覚えやすいと思うよー

共札:きみがためは

 

「きみがためは」

きみがためはの札

君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我がころもでに 雪は降りつつ

覚え方:若雪、君は…(わか、ゆき、きみは)

解説:この歌は前半は「あきの」、後半は「たご」というそれぞれの札に激似。なので、前半と後半からそれぞれ一か所ずつキーとなることばを見つけなければならない。そこで、それぞれわかりやすい、「わか」と「ゆき」をチョイス。その結果が「若雪、君は…」とかいう小説のワンシーンみたいな覚え方に。…さすがにひどすぎるかな? 

共札:きみがためを

 

四枚札

は札

「はるす」

はるすの札

春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山

覚え方:衣干す春っす!(ころもほす、はるす)

解説:上で紹介した「きり」の札も、下の句が「ころも」から始まるため、「ころもほす」までをキーとして、「ほすはるす」のリズムで覚える。

共札:はるの

 

「はるの」

はるのの札

春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かいなくたたむ 名こそ惜しけれ

覚え方:腕(かいな)に貼るの!(かひな、はるの)

解説:下の句の一番最初にある「かひな」ってのは「腕」のこと。つまり、腕に(湿布とかを)貼るの! というイメージ。

共札:はるす

 

「はなの」

はなのの札

花の色は 移りにけりな いたづらに 我が身世にふる ながめせしまに

覚え方:和歌見よ!花野!(わかみよ、はなの)

解説:花野さんに「和歌みろ!」と命令してる感じで。『ちはやふる』見てる人ならよりイメージ湧きやすいかな?前回の「つき」と「わかみ」まで下の句の最初が一緒なので注意しよう。

共札:はなさ

 

「はなさ」

はなさの札

花さそう 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは 我が身なりけり

覚え方:振り話さん?(ふり、はなさ)

解説:「ダンスの振りについて話さない?」ということを言いたかった。他にも「不利、離さん」とかでもいけそうだね。「話さん」って関西弁だから、なじまなかった「話さない?」とか各自で置き換えてね!

共札:はなの

 

や札

「やす」

やすの札

やすらはで 寝なましものを 小夜ふけて 傾くまでの 月を見しかな

覚え方:肩を休める(かた、やす)

解説:下の句の最初の「かた」と、決まり字である「やす」を結び付ければなんでもOK!「かたが安い」とか。「かた」の漢字はお任せします。

 

「やえ」

やえの札

八重むぐら しげれる宿の 寂しきに 人こそ見えね 秋は来にけり

覚え方:見えねー八重歯(みえね、やえ)

解説:「わがそ」っていう札の下の句が「ひとこそしらね」で始まるから、「みえね」という部分をキーにしたよ。八重歯って犬歯のことじゃなくて、歯の生える位置が外にずれてること言うんだって。知らなかった。

 

「やまが」

やまがの札

山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあえぬ もみじなりけり

覚え方:川の流れは山が作る(ながれ、やまが)

解説:まあ、そのままですね。山から水が流れて川ができるので。やっぱり、決まり字が名詞だけ、とか、名詞+助詞みたいな形だと語呂合わせ作りやすいね。

共札:やまざ

 

「やまざ」

やまざの札

山里は 冬ぞ寂しさ 勝りける 人目も草も 枯れぬと思えば

覚え方:一メモ「山座す」(ひとめも、やまざ)

解説:「一メモ」は一つのメモって意味ですね。で、そこに「山座す」、つまり山にこもってずっと座って修行するというメモを残した、というイメージでしょうか。うーん、強引だな笑 「人目」という言葉を使って覚えても大丈夫なので、何かいい案あればそちらで覚えてください!

共札:やまが

 

よ札 

「よも」

よもの札

夜もすがら 物思うころは 明けやらで ねやのひまさへ つれなかりけり

覚え方:ね!よもぎ!(ね、よも)

解説:…いや、ふざけてるわけじゃないんです。下の句が「ね」から始まる歌はこの札しかないので、「ね」と「よも」さえ繋げればなんでもいいんです。関西の人なら「寝ーよ、もう」みたいな覚え方もできるね。

 

「よを」

よをの札

夜をこめて 鳥の空音は はかるとも 世に逢坂の 関は許さじ

覚え方:世に夜を!(よに、よを)

解説:夜にしか活動できない、ドラキュラが言うセリフですかね。「ゆら」とかもそうなんだけど、決まり字と下の句の最初の文字が同じ札はなんとなく覚えやすい気がするなー そこだけをキーにしても割と覚えれると思う。

 

「よのなかは」

よのなかはの札

世の中は 常にもがもな 渚こぐ あまの小舟の 綱手かなしも

覚え方:尼の世の中は…(あまの、よのなかは)

解説:どんな感じなんだろう? と続く覚え方ですね。決まり字長いにもかかわらず、そのまま語呂合わせに使えた、珍しいパターン。まあ、略すと「よのは」とかなって、余計にややこしくなるから、そのまま使った方がいいんだけど…

共札:よのなかよ

 

「よのなかよ」

よのなかよの札

世の中よ 道こそなけれ 思いいる 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる

覚え方:山の夜の中よ!(やまの、よのなかよ)

解説:「どこにいるの?」 「山の夜の中よ!」みたいなやり取りですかね。なんとなく言いたいことは分かるけど、変な言い回しだね… これは私も覚えるのに苦労した記憶があって、普通に「山の世の中」って覚えて、下の句が「や」から始まってるから、同じ「ヤ行」の「よ」が決まり字の最後につく! みたいに強引に覚えた気がする。

共札:よのなかは

 

か札

「かく」

かくの札

かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしもしらじな 燃ゆる思いを

覚え方:さー書くぞ!(さ、かく)

解説:下の句が「さ」から始まるのはこの歌しかないので、「さ」と「かく」をどうにか結び付ければ大丈夫。西日本の人なら「さしで書く」って覚えてもいいかも(「さし」は定規、物差しのこと)。関西の出だから、ちょっとローカルネタが多くなってしまって申し訳ない…

 

「かさ」

かさの札

かささぎの 渡せる橋に 置く霜の 白きをみれば 夜ぞふけにける

覚え方:白い傘(しろ、かさ)

解説:まあ、そのままだね。「しろ」「かさ」といった使いやすいワードしかないので、好きな風に組み合わせて覚えてみよう!

 

「かぜそ」

かぜその札

風そよぐ 奈良の小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける

覚え方:味噌って、風邪治りそう(みそ、かぜそ)

解説:戦略としては「味噌」と「かぜ」を関連させて、最後の「そ」は下の句の最初に二回も出てくるから、そこで思い出す。語呂合わせの分に、「そう」みたいな言葉いれたらより覚えやすそう笑。

共札:かぜを

 

「かぜを」

かぜをの札

風をいたみ 岩うつ波の 己のみ 砕けてものを 思うころかな

覚え方:砕け、風を!(くたけ、かぜを)

解説:「くだけ」っていうのがユニークなフレーズ。風を砕くって意味が分からないけど、その意味の分からなさが逆に記憶に結びついたりするので、挑戦する価値はあり。「やっぱ、関連しないわ」って人は、何か自分が覚えやすいものを見つけて、関連させてみよう!

 

おわりに

 以上、合計28枚の紹介でした! いやー書いてて思ったけどこれで28枚か。100枚ってどんだけ多いのでしょう笑 昔の自分よく覚えたなー

 

 この決まり字紹介コーナーですが、最初から全部見ていくというよりは、自分が中々覚えられない札を覚えるために、ちらっと覗いてみるぐらいの使い方がいいのかもしれないですね。100枚全部見るとなると、なかなかボリューミーな内容だと思うので…

 

 次回は五枚札と六枚札です。紹介枚数的には今回が一番多くて、次回以降は20枚前後に落ち着くと思います。後三回ほど続きますが、最後までお付き合いお願いいたします!

 

次回>>競技かるたの始め方(6)ー決まり字紹介part3

前回>>競技かるたの始め方(4)ー決まり字紹介part1