悩んでいる人

 競技かるたの始め方第3弾ー! 今回は決まり字についてです。先に言っておきますが、決まり字を覚えるにあたって一番大事なことは、とにかく回数を重ねること。これにつきます。なんとなく近い感覚で言えば、歌の歌詞を覚えるのに近いかな… 何回も歌って覚えるみたいな。

 

 最終的には決まり字を覚えてもらうために、自分でがんばってもらう必要がありますが、その前に、そもそも決まり字とは何か、決まり字のグルーピング、など、決まり字に関しての役立つ周辺情報をまとめてみたので、ぜひご覧ください!

 

 

悩んでいる人

 

 

決まり字とは

 そもそも決まり字とは何か、というとその文字まで読まれたら、その札が確定できる文字のことをいいます。…これだけじゃちょっとよく分からないですよね笑

 

 たとえば百人一首に収められている和歌の中で、「む」から始まる和歌は、この札ひとつしかありません。

 

"む"の札

 

 これが何を表すかというと、「む」と読まれた時点で、百枚ある札の中から、一枚に札が「決まる」、ということを表します。すなわち、百人一首の中で「む」というのは、百枚の中から、一枚が「決まる文字」、すなわち決まり字ということになるのです。

 

 また、「あ」から始まる和歌は、百人一首の中に16枚存在します。

 

"あ"から始まる札

 

 つまり「あ」と読まれただけでは16枚の内どの札が読まれているのかは、まだ確定できません。しかし、「あ」の後に「け」が続く、つまり「あけ」から始まる札は、百枚の中に下の一枚しかありません。

 

"あけ"の札

 

 

 そうすると「あけ」と読まれた瞬間に、百枚の中から一枚に札が「決まる」。だから「あけ」は百人一首の中で「決まり字」となります。

 

 …とまあこんな感じで、百人一首のなかには百枚すべての札に「決まり字」というものが存在しています。

 

 これまで、理屈っぽく決まり字を説明してきましたが、もっと感覚的に言うと、各札の名前みたいなものですね。競技者は決まり字で札を呼ぶし、試合中は決まり字で札を覚えます。つまり、決まり字を覚える、ということは、百枚の札の「名前」を覚える、ということになりますね。

 

決まり字の分類

 決まり字は、その文字数や、頭文字によって分類することが出来ます。今回はためしに、文字数による分類と頭文字による分類をしてみたいと思います。

 

 具体的な決まり字については、次回から何回かに分けて紹介していこうと思うので、まずは全体的なアウトラインをざっと眺めてみてください。

 

文字数による分類

 かるたの札は決まり字の文字数によって、一字決まり、二字決まりという風に分類されます。今回は決まり字の文字数ごとに、それぞれ何枚ずつ札があるのかを確かめていきます。

 

一字決まり

一字決まり

 

 

一字決まりは「む・す・め・ふ・さ・ほ・せ」の計7枚。この札たちは一音聞いただけで取ることが出来ます。

 

二字決まり

二字決まり

 

 二字決まりになると一気に増えてこの枚数。ぜ、全部で何枚あるんだ?えっと、1、2、3、4…と地道に数えてみたところ、全部で42枚二字決まりだけでほぼ半分を占めていますね。ところどころ間が空いているのは、一応頭文字ごとに分類して並べているからです。

 

三字決まり

三字決まり

 

 三字決まりも割と多め。全部で37枚。二字決まりに比べて5枚だけ少ない。二字決まりと合計すると約8割を占めることになります。つまりかるたは、ほぼ二字決まりと三字決まりの札で構成されているということですね。これも、頭文字ごとに固めて並べているのですが、下のほうに2列にわたって置かれているのが、先ほども紹介した「あ」から始まる札。三字決まりの札が11枚もあり、他の頭文字と比べてもかなり多いことが分かります。

 

四字決まり

四字決まり

 

 一気に数が減って、合計6枚。この四字決まりあたりから、決まり字の長い札というイメージがつき始めます。決まり字が長い上、数もかなり少ないので、ほぼ一音目で札のすぐそばまで手をのばし、相手の手が入れないようにする“囲い手”という取り方を使いだすのもだいたいこの辺りから。

 

五字決まり

五字決まり

 

 たったの一組2。文字数の分類で行くと、一番種類がすくない文字数になります。一番種類が少ないため、5音目で取るという感覚がなかなかつかめず、個人的にはかなりお手つきが多い札となっています(文字数長いから、さっき上で紹介した、囲い手を使って落ち着いて取ればいいんですが笑)。

 

六字決まり(大山札)

大山札(六字決まり)

 

 こちらは、四字決まりと同じく、3組6枚。六字で決まる札は六字決まりとは言わず、大山札ということが多いですね。競技かるたを題材とした人気漫画『ちはやふる』には「山を張って取るから大山札という」みたいなこと書いてあったけど本当なのかな…

 

 百人一首の歌は和歌であるため、読み手は普通五5・7・5・7・7のリズムで読むのですが、これらの札を読むときは、決まり字である六文字目まで一気に読むため、他の札たちとは少し違った読み方になるのも、大山札の特徴です。

 

頭文字による分類

 頭文字による分類は、その頭文字から始まる札が何枚あるか、という観点で整理されます。理由としては、この分類の後に紹介する決まり字の変化が関係してくるのですが、まずは、そのような整理の仕方に慣れていきましょう。なお、同じ頭文字から始まる札の枚数によって、一枚札、二枚札、といったように分類します。

 

一枚札

 これは、文字数による分類のところで紹介した一字決まりと全く同じ。したがって、「む・す・め・ふ・さ・ほ・せ」の七枚は一枚札ではあるのですが、そう呼ばれることもなく、一字決まりという言葉だけで、一枚札の意味も同時に表しています。

 

二枚札

二枚札(うつしもゆ)

 

 左上から順に、「う・つ・し・も・ゆ」。同じ音から始まる札が2枚しかないことから、必然的に二音目で区別がつく、つまり全て二字決まりになります。これらの札は一方の札が読まれると、もう一方の札が即一字決まりに変化するため、狙いやすい札であるといえます。

 

三枚札

三枚札(いちひき)

 

 左上から「い・ち・ひ・き」から始まる札。全て母音がi音であることが特徴。決まり字の長さは、各音それぞれ二字決まりの札が1枚ずつあり、「い札」と「ひ札」は三字決まりが2枚、「ち札」は四字決まりが2枚、「き札」は大山札が2枚といった構成になっています。

 

四枚札

四枚札(はやよか)

 

 左上から「は・や・よ・か」から始まる札。決まり字の長さは、「か札」と「や札」が二字決まりと三字決まりそれぞれ2枚ずつ、「よ札」が二字決まりと五字決まりがそれぞれ2枚ずつ、「は札」は三字決まりが4枚となっている。特に「は札」は三字決まりばかりで間違えやすいので注意が必要です。

 

五枚札

五枚札(み)

 

 「み」から始まる札のみ。二字決まりが3枚と三字決まりが2枚。ちなみに、一枚札から五枚札までを合わせると、ちょうど半分の50枚になります。

 

六枚札

六枚札(たこ)

 

 左から「た・こ」から始まる札。「た札」は二枚札以来の全て二字決まり、「こ札」は二字決まりが4枚と四字決まりが2枚。特に「た札」は特徴的な構成をしており、好き嫌いがはっきり分かれやすい札ですね。ちなみに、私は「た札」や「こ札」といった二字決まりが4枚以上ある音は苦手です笑

 

七枚札

七枚札(おわ)

 

 左から「お・わ」から始まる札。「お札」は二字決まりが4枚と三字決まりが3枚、「わ札」は二字決まりが1枚、三字決まりが4枚、大山札が2枚といった割と複雑な構成。さすがにこの辺まで来ると、決まり字の変化を追う作業が辛くなってくるんだよな…

 

八枚札

八枚札(な)

 

 全て「な」から始まる札。二字決まり1枚、三字決まり5枚、四字決まり2枚といった構成。三字決まりが多く、二音目以降も似ている音が多いため、「は札」同様、間違いやすくなっているので気を付けましょう。

 

十六枚札 

十六枚札(あ)

 

 全て「あ」から始まる札。「あ札」の次に多い「な札」に比べ、枚数が一気に二倍まで膨れ上がった。「あ札」のことはあんまり十六枚札とは言いませんね。二字決まりが3枚、三字決まりが11枚、大山札が2枚と、三字決まりが圧倒的に多い。この「あ札」を問題なく試合中に暗記できるようになったら、もう初心者卒業といえるでしょう! 

 

決まり字の変化

 上でちょくちょく出てきた決まり字の変化、という概念について解説します。決まり字というのは試合が進むにつれだんだん短くなっていくんのですが、これを決まり字の変化と呼んでいます。なぜ短くなるのかというと、競技かるたにおいて一度読まれた札は、もう読まれることがないからですね。

 

 上で挙げた三枚札の一つ、「い札」を例にとって解説します。ちなみに、「い札」は二字決まりの「いに」と三字決まりの「いまは」、「いまこ」の三枚で構成されています。

 

 まず、試合中に「いまは」の札が読まれたとします。すると、「いまこ」の札の決まり字はその試合中に限っては「いま」と短くなります。なぜなら、「い札」の中でも「いま」から始まる札は「いまは」と「いまこ」の二枚で、そのうち「いまは」が読まれてしまった今、「いま」から始まる札は「いまこ」以外にありえない、と、なるからです。

 

 次に、「いに」の札が読まれたとします。そしたら「いまこ」の札はどうなるかというと、「い」の一字決まりになってしまいます! 元々三字決まりだった札が一字決まりになった、というわけです。これはなぜかというと、三枚ある「い札」のうち、もう他の二枚は読まれたから、読まれる可能性のある「い」から始まる札は「いまこ」しかない、だから「いまこ」は「い」でとれる、というわけですね。

 

 以上が決まり字の変化についての解説になります。なんか文章にするとややこしく見えますが、実際試合してたらすぐ覚えるので、今ここで理解できなくても、なんとなくそういことがあるんだなー ぐらいに思ってもらえれば、と思います!

 

おわりに

 今回は最後の決まり字の変化を中心に、抽象的な話が多かったと思いますが、この記事に限らず分からないこととかあったらどんどんコメントしてください! 簡単なことならコメントで返信しますし、話が大きくなりそうだったらそれを基に新しく記事を書く、という形でお答えしようと思います。

 

 さて、次回からは何回かに分けて、決まり字について、より具体的な話をしていきます。札の覚え方のちょっとしたコツや語呂合わせなど、今回の話に比べたら、幾分面白い話になるかと笑

 

 次回以降の記事を見て、決まり字を覚えてからここのページに戻ってくると、ここで書いたことがより深く理解できるはずなので、もし今回の話がよく分からなくても気にせず次のページに行ってみてください!

 

次回>>競技かるたの始め方(4)ー決まり字紹介part1

前回>>競技かるたの始め方(2)ー競技かるたの基礎ルール