整列

 競技かるたの始め方第9弾! 前回は長かった決まり字紹介シリーズが終了して、今回からは新しい話題、定位置についての説明になります。決まり字とルールを覚えたなら次に必要になるのは定位置の作成。前回までに紹介した決まり字に注目して、バランスのいい定位置を作りましょう。

 

 今回は基礎編として、定位置とは何か、定位置を作る際に気を付けるポイントはどこか、といったことの解説になります。ちょっと堅苦しいですが、ある程度大事なことなので、読んでいただけると幸いです。

 

 

整列

 

 

そもそも定位置って?

定位置とは

 「定位置」というのは、その名の通り「定まった位置」のこと。何の位置が定まっているのかというと、自陣に並べられる札の位置が定まっているということです。

 

 たとえば、「あきの」は右下段、「はるす」は左中段、「あし」も左中段…というように、全部の札をどこに置くか決める、という感じです。自陣の並べ方についての説明はこちらを参照してください(競技かるたの始め方(2)ー競技かるたの基礎ルール)。

 

なぜ定位置を決める必要があるのか?

 そもそも、なぜ定位置を決めるのかというと、簡単にいえば暗記がかなり楽になるからです。

 

 毎回その日の気分で置く札を決めていたら、自陣と敵陣両方の場所を覚える必要がありますが、自陣の定位置が決まっていたら、場所を覚えるのは敵陣だけで済みます。もちろん、なんの札があるか、っていうのは別に覚える必要がありますが、場所を覚える必要がないっていうのは、大きなメリットになるのです。

 

定位置の作り方

 定位置の作り方は大きく分けて2つあります。試合の中で決めていくタイプ事前に決めておくタイプです。

 

試合の中で決めていくタイプ

 直感的にこの札はここ、あの札はこっち! と試合の中で実際に置いてみて、そこからだんだん定着させていくタイプ。確実に覚えているのを右、あやふやなのは左、みたいな置き方もあります。

 

 このタイプの注意点としては、できるだけ毎回札を同じ場所に置くように心がけること。このときに各段の外、内の順番まで意識しておけるとベター。たとえば、「たご」の札と「おく」の札は両方右中段だけど、「たご」の方が「おく」より外側、みたいな感じですね。

 

 また、このタイプで定位置を決めていくと、同じ音が一か所に固まったり、左右のバランスが悪くなってしまったり、といったことがよくあるので、ある程度定位置が決まった後は、一度全体を見て、バランスを調整してみた方がいいですね。

 

事前に決めておくタイプ

 先に札を置くべき場所を決めとかないと、札をどこに置けばいいか分からなくて気持ち悪い、という人は先に定位置を百枚分作っておくといいですね。私もこっちのタイプでした。

 

 こっちのタイプは決まり字、ルールに加え定位置も覚える必要がでてきます。これはかなり大変です。そのため、慣れるまでは、試合開始時に並べる時に、紙に書かれた定位置を見ながら並べる、といった方法がおすすめです。

 

 ただし、試合中に送られてくる送り札にかんしては、紙を見てまで定位置に置く必要はないかと思います。試合の進行にも影響するし、そこまで厳密に、あらかじめ決めておいた定位置を守る必要もないので。どうしても気になるなら見ても大丈夫です。

 

おすすめの方法は?

 さて、ここまで定位置の決め方について二つのタイプを紹介したが、私がオススメするのは両者の中間策です。つまり、最初におおざっぱに定位置を決めて、細かいところは試合中に覚えていく、といった方法になります。

 

 具体的には各札左右どちらに置くか、ぐらいを事前に決めておいて、順番や、段をどこにするか、といった細かいところは試合の中で覚えていく。そして、ある程度定位置が決まってきたら、そこで初めて完成図を作り、バランスを修正する。このような流れにする方が定着するのも早いし、修正もききやすいと思っています。

 

定位置作成のコツ

 定位置の作り方が分かったところで、次は具体的にどのように札を配置していけばいいかについて重要な点を紹介していきます。以下に書かれていることを意識するだけで、ある程度バランスがいい定位置になるはず!

 

共札の並べ方

 共札の並べ方は大きく分けて2つ。1つ目が共札をくっつけて並べる並べ方、そしてもう1つが共札を分けて並べる並べ方。この共札の扱いについては、一番最初に決めておくべき事柄です。

 

 そこで、それぞれのタイプのメリット・デメリット紹介していきます。なお、共札についてはこちらの記事で解説しているので、共札とは何ぞや、という方は参考にしてください(競技かるたの始め方(4)ー決まり字紹介part1)。

 

共札をくっつける並べ方

○メリット

・自陣が覚えやすい

・自陣に早く反応ができる

○デメリット

・相手に狙われやすい

・お手つきをしやすい

 

 まず、メリットとして挙げられるのが、自陣の覚えやすさ。

 

 競技かるたは一日に何試合もするので、毎回毎回の暗記がかなり大変。そのため、ややこしい共札をくっつけて並べておくと、セットで覚えることが出来るため、暗記の負担が減ります。しかし、同じ場所に似た札を置くということは、それだけお手つきをしやすい、ということにもなってしまうから注意が必要です。

 

 また、共札をくっつけておくことで、2枚まとめて決まり字が短い状態で取ることが出来ます。

 

 どういうことかというと、たとえば「あまの」と「あまつ」という札が2枚とも自陣に来たとします。すると、「あま」から始まる札2枚が自陣にあるので、三音目を聞き分けるまでもなく、「あま」と読まれただけで、その2枚を払うことができる、ということですね。しかし、これは裏を返すと、相手もその札たちが取りやすくなっている、ということになります。

 

 このように、共札をくっつけて並べるのは、どちらかというと、攻めの陣といえますお手つきはしやすいけど、暗記が入りやすいため早く取れる、相手も狙ってくるけど、自分も早く取れる、こういったハイリスクハイリターンな面をもつ、ということですね。

 

共札を分ける並べ方

○メリット

・お手つきをしにくい

・相手が狙いを定めにくい

○デメリット

・早くとるには渡り手という取り方をしなければならない

・暗記が大変

・慣れるまでは、メリットを活かしにくい

 

 ここでいう共札を分けるというのは、左右にわけることを指します。上段と下段に分けることもありますが、こちらはかなり特殊なので今回は考慮しないということで。

 

 さて、特徴の方を見てみると、先ほどの共札をくっつける並べ方と、メリット・デメリットがちょうど逆になっています。

 

 相手が取りにくい、というのは、先ほどの「あまの」「あまつ」を例にとると、右側に置いた「あまの」を相手が取る隙に、こちらは左側の「あまつ」を取る、みたいな取りができることを指しています。でも両方取るのは難しく、渡り手という、陣の右も左も払うという、なかなか難しい取り方をしなきゃいけません。

 

 そして、左右に分かれているぶん、自陣に慣れてきたらお手つきをする機会は減っていきます。場所が違うので、共札がごちゃ混ぜになる、ということがないからです。しかし、その分毎回の暗記は大変になります。また、その陣に慣れるまでは、どっちがどっちか分からず、逆に混乱してしまう、なんてことがあるかもしれません。

 

 この並べ方は、共札を1枚は確実に守って、もう1枚は取れたら取る、といったいわば守りの配置といえます。ローリスクローリターンともいえますね。

 

おすすめの並べ方は?

 これは考え出すとなかなか難しいのですが、私は共札をくっつけて並べるほうがいいと思います

 

 理由ですが、まず第一に、単純に強い人に共札をくっつけてる人が多いから。それに加えて、自陣、敵陣かかわらず、早く札を取れるよう訓練したほうがいいから、というのもあります。

 

 自陣というのは、ほぼ無意識に取る必要があるのですが、渡り手というのは、なかなか無意識でできる技ではないんです。もちろん、訓練したらできるようにはなりますが、そっちに労力割くよりは、短い決まり字でスパッと一か所を払う練習したほうが個人的にはオススメです。

 

 ちなみに、共札をくっつけた方がいいと、えらそうにもオススメをしているわたくしの定位置は、びっくりするぐらい共札分かれてます笑

 

 くっつけて並べておいた方が良かったかなーと今でも考えることがあります。

 

 と、ここまでだらだらと共札について語ってきましたが、最終的には自分の好きな方でオッケーです。

 

 本質的な強さはこんなところでは決まらないので。ただ、特にこだわりがないようでしたら、くっつけて並べるほうがいいんじゃないかなー みたいなそのような程度のものだと思っておいてください。

 

札の分類と配置

 次は札の分類について。バランスのいい陣を作るためには、ある程度同じ音から始まる札を左右に散らしたほうがいいと思います。

 

 例えば、あ札は全部右下段、な札は全部左下段、みたいな定位置にしてしまうと、今度はかえって覚えにくくなってしまいます。そのため、ある程度は分類して、同じ音から始まる札で2枚~3枚のセットを作り、それらを左右の各段に配置する、という形で定位置を決めていくのがいいでしょう。

 

 は札を例にだすと、

 

共札くっつける人→「はるの」「はるす」を左上段、「はなの」「はなさ」を右下段

共札を分ける人→「はるの」「はなの」を右中段、「はるす」「はなさ」を左中段

 

みたいな感じです。これを各音ずつでやっていけば、自然と左右のバランスはとれてきます。なお、一字決まりは、一字決まりで一つのグループとみなし、そこから三分割ぐらいして、左右に散らす、というのがおすすめです。

 

上段・中段・下段のバランス

 左右のバランスの次は上下のバランスです。基本的には下段>中段>上段のバランスにするのがいいです。

 

 やはり、自陣の下段は自分から見たら一番近く、相手から見たら一番遠い、いわば一番取りやすい場所ですので、そこに多く札を配置したほうが有利になるのは間違いないです。

 

 具体的に言うと、下段40枚、中段35枚、上段25枚とかこんな感じです。実際にはもうちょっと尖った配置の人もいると思いますが、基本はこんな感じでしょう。

 

おわりに

 以上、定位置についての解説でした! 定位置についてもいろいろ考えだすときりがないのですが、最初はそこまで難しく考えすぎる必要もないと思います。定位置に正解なんてありませんし、自分のやりやすい、納得できる陣地で試合することが、一番大切なことです。

 

 さて、次回ですが、定位置についてこんな堅っ苦しい説明されてもわけわかんねえよ! という方のために、実際に定位置を一から作っていきます。

 

 今回書いた内容を存分に使っていく予定ですので、「ああ、加茂は前回そういうことが言いたかったのね」っていうのが分かるのではないかと思います。

 

次回>>競技かるたの始め方(10)ー定位置の作り方、実践編

前回>>競技かるたの始め方(8)ー決まり字紹介part5