
以前、競技かるた初心者がやるべき練習として、いくつか紹介したことがあります(参照記事ー競技かるたの始め方(11)ー初心者がやるべき練習)。こちらの記事に書かれている練習方法は、それはそれで効果があります。
ですが、参照記事に書かれている練習方法よりも、明らかに効果がある練習があります。実は、参照記事の最後の方にちらっと書いてはいるのですが、今回はその部分にフォーカスして、競技かるた初心者が本当にやるべき練習を紹介したいと思います。
競技かるた初心者が本当にやるべき練習
早速競技かるた初心者がやるべき練習を紹介しますね。非常にシンプルなのですが、それは、試合形式の練習です。
試合形式の練習の中でも、特におすすめなのが、同じレベルの人との試合です。よく、上の人と試合をするのが良い、と言われますが、初心者のうちは、なるべく同じレベルの人と取った方がいいと思います。
なんだ、そんなことかよ。そんなの知ってるよ、とか思って帰らないでください笑 これから初心者に試合形式の練習が必要な理由と、試合中に意識してほしいことなど書いていきますので。
これを知って試合するのと知らないで試合するのでは、練習の効果が変わってきますので、ぜひ最後まで見ていってくださいね!
初心者が試合形式の練習をするべき理由
まず、理由として挙げられるのが、競技かるたの試合というものに慣れる、ということです。
競技かるたの試合というのは、本当にいろいろな要素が複雑に絡み合っています。最初の暗記、試合中の暗記、相手とのかけ引き、自分のモチベーションの保ち方、序盤、中盤、終盤での戦い方、などなど…
これらの要素はおそらく、実践の試合でないと経験できません。払い方ひとつ取ってみても、練習の時と試合の時では全く別物と考えてもいいかもしれません。
また、試合に慣れるという観点からみると、できるだけ同じレベルの人と対戦したほうがよいです。
というのも、特に初心者のうちなんかは、あまりレベルが離れている人とやってしまうと、一方的に札を取られすぎてしまって、何も得ることがないまま終わってしまうからです。
さらに言うと、終盤の練習や、送り札の練習なんかは全くできないといってもいいでしょう。これらの大事な要素が練習できないというのは、非常にもったいないことです。
そういった意味でも、初心者のうちはできるでけレベルが近い人と試合を取りましょう。
(参考)上級者と試合をする意味は全くないのか
初心者はできるだけ同じレベルの人と試合をした方がいい、と書きましたが、それでは上級の人と試合をしてはいけないのでしょうか。
そう聞かれると答えはNOになります。
もちろん、試合に慣れるという観点に立てば、初心者同士で試合をする方が効果は高いでしょう。しかし、上級者の速さを経験するのも、大切なことです。
陸上や水泳でも、速い人と一緒に走ったり、泳いだりすることでタイムが上がるのと同様、競技かるたでも速い人と試合することで、自分のスピードを引き上げることができます。
ですので、もし上級者と試合ができる機会がありましたら、上級者の速さを体感し、そのレベルで一枚でもいいから、札を取ることを意識してみてください。
上級者から取った一枚というのは、同じレベルの人から取った一枚よりも価値のあるものになります。
もう一つ、純粋に試合を取っている方が楽しいから、というのもあります。
前置きの参照記事で紹介した練習は、もちろん必要なことではありますが、正直やっててつまらないです笑
初心者の頃こそ、競技かるたは楽しいものだ、という感覚を持ってもらいたいので、一番楽しい練習である試合をしましょう。できなかったことがだんだんできるようになってくる感覚は、本当に楽しいですよ!
試合中に意識してほしいこと
最後に、試合中に特に意識しておいてほしいことをいくつかあげます。これらを意識するのとしないのでは、今後の成長にかかわってくると思うので、ぜひ意識してみてください。
自陣より敵陣の札を取る
これは当ブログでも、何度も言っていることですね。おそらく練習会でも、何度も聞くことになるでしょう。ですが、それほどに大事なことであるのです。
なぜ、敵陣の札を取ってほしいかというと、一つは、送り札で試合を有利に運べるからです。
送り札でなぜ試合が有利に運べるかというと、まず、自陣にいてほしくない札を敵陣に送ることで、自分が取りやすい配置にできるからです。自陣での反応がどうしても鈍い札を、敵陣に送って狙うことで、その札を取れる確率を上げることができます。
また、逆の視点から、相手がこちらの陣で取りたがっている札を送ることで、相手が取りにくい配置にできる、というのもあります。特に一字決まりなどの狙いやすい札は、相手に送ることで、相手の攻めの手を緩めさせることができます。もちろん、その送った札を敵陣で取ることができれば、相手に大きなダメージを与えることができるでしょう。
このような理由から、送り札ができる敵陣の札は、自陣の札より積極的に狙っていきたいのです。
もう一つ、敵陣の札は自陣より取りにくいので、意識して練習したい、というのもあります。
先ほども書いたように、敵陣の札は送り札というメリットがある分、自陣よりも取りにくいです。特に初心者の頃なんかは、なんとなく取っていると、敵陣の札より自陣の札ばかり取っていた、ということもよくあります。
ですので、敵陣の札は意識して取るように練習する必要があるのです。ここら辺の話は、以前書いた記事でも説明していますので、よければそちらも参考にしてみてください。→攻めがるたと守りがるた
最後に、この自陣より敵陣というのは、上級者との試合でも意識してください。
上級者との試合では、どうせ勝てないですが、せっかくですので、この機会に、相手の速さに自分の速さを引き上げてもらったうえで、その速さで敵陣を抜く感覚を覚えちゃいましょう。
上級者相手に、自陣で10枚守るより、敵陣の札を1枚抜く方が、後々成長の糧になると思います。
暗記を一生懸命する
シンプルですが、大事なことです。暗記はある程度のレベルまでは気合が大事だと思っています。
私も昔C級かB級になりたてのころ、A級の方に暗記が入らないと相談したところ、まあ、暗記は気合だからね、と言われたことがあります。もちろん、暗記のコツや、効率的な方法もあるとは思いますが、まずは一生懸命暗記するところからスタートです。
具体的には、敵陣を中心に、何度も札を覚えなおすことが重要になってきます。忘れては覚えるの繰り返しが暗記を強くします。
また、最近よく目にするのが、忘れそうな札を中心に暗記をする、というやり方です。S級の方々がたまたま同じ発言をしているのを聞いたため、これは効果的な方法かと思われます。
ただ、これにかんしては、私自身も、どうやって忘れそうな札を思い出すんだよ… と、試行錯誤中ですので、あまり詳しい方法は語れません笑 また何かコツをつかめばシェアしてきたいと思います!
暗記に関しては、こちらの記事も参照ください→競技かるたにおける暗記のコツ
おわりに
試合形式の練習は、それこそ総合的な練習になります。サッカーや野球といった、試合形式での練習が大変なチーム戦とは違い、一対一で競技ができる競技かるたでは、この試合形式の練習が一番効率がいいと思います。
払い、暗記、メンタル、定位置も毎回並べますしね。やはり、基本的な練習として試合形式の練習があり、それができないときや、空いた時間にその他の練習をする、というのが一番好ましい形になります。
おそらく、今日紹介した意識や目的をもって試合形式の練習をしていけば、20~30戦ぐらいで、E級の大会に出れるレベルにはなるんじゃないかな、と思います。呑み込みが良ければ、D級の大会も視野に入るかもしれません。
とにもかくにも、初心者の頃は、実践の試合を数多くこなすことが、レベルアップにつながりますので、ルールと決まり字を一通り覚えた人は、すぐにでも試合形式で練習をしてみてくださいね。
それでは!
初めて投稿いたします、よろしくお願い致します。
2ヶ月ほど前に練習を始め、地域のかるた会にも入会希望を出していますが、コロナ感染拡大で練習会も中止になったりで、まだ入会できておらず実戦形式での練習が出来ていません。
日頃はスマホでの札流しトレーニングの他、タブレットで競技かるたオンラインというアプリを行っています。
ご質問は、この競技かるたアプリは上達に役立てられるか、役立てられるとしたら何に重点を置けばいいかです。
枚数が最大12枚、配置が2段8列まで、暗記も最大60秒と、実戦とは異なる部分も多く、このような形でも何か意識することで伸ばせる部分もあるかと思った次第です。
どうぞよろしくお願い致します。
コメントありがとうございます!
個人的な考えですと、0とは言わないが、ほとんど競技かるた上達とは関係ないと思います。
一応、札がどこにあるかを覚えて、それが読まれたらそこを払う、という練習にはなるとは思いますが、逆に意識できることというのがそこぐらいしかない気がします。
同じ百人一首を使っていますが、あくまで別のゲームだと思った方がいいですね。
面白くないとは思いますが、やはり競技かるたに役立つ練習というのは、札流し、払い、一人取りになってきますね。
かるたオンラインは対人要素があるので面白いですが、競技かるたの上達に役立つかと言われれば、素直にYESとは言えない、というのが正直なところです。
回答ありがとうございました。
やはりそうなんですね、参考になりました。