詠む人

※2021年4月から、競技かるたにおける読み方のルールが大幅に変わりました。そのため、本記事では2021年4月に大幅に追記、改訂を行っています。

 

皆さん練習会で読みをしていますか?

 

興味があるけど恥ずかしい、読みをするにはまだ早い、そもそも読み方がわからない、などといった理由で読みを避けている人もいるのではないでしょうか。

 

そこで今回は、読みについての解説をしたいと思います。

 

読みができるようになれば、もう一段上から競技かるたを見れるようになるので、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

 

詠む人

 

読み方のルール

まずは、基本的な読み方を紹介します。

 

最悪このルールさえ守ってしまえば読みはできるので、ここに書いてあることだけでも押さえてみてください。

5-3-1-6読み(2021年4月改訂)

ここに書いてある数字は秒数を表します。

 

前の札の下の句を5秒、最後の文字を3秒伸ばし、1秒で息を吸って、6秒かけて上の句を読みます。

2021年4月以前は、4-3-1-5読みと言われていましたが、実情に合わせて秒数が変更されました。

実情に合わせた変更のため、今まで読手をしていた人は気持ちゆっくり目に読むだけでよさそうです。

 

具体的に言うと…

 

わがーころもではーつゆにぬれーつ(5秒)

つー(3秒)

息を吸う(1秒)

はるすぎてーなつきにけらしーしろたえのー(6秒)

 

といった感じですね。

 

秒数はもちろん大事ですが、それよりも大事なのが札ごとに秒数をかえないことです。

 

多少早かったり遅かったりしても、選手は数枚聞くだけで勝手に調整してくれます。しかし、正しい秒数で読むことを意識しすぎて、1枚ごとに秒数を調整しすぎると、不安定な読みに聞こえてしまいます。

 

ですので、全体的な調整は次の試合に活かすとして、一度読み始めたら同じリズムで読むことを意識しましょう。

読みの音程

秒数も大事ですが、この音程がしっかりしていると、とても聞きやすい読みになります。

 

音程といってもそこまで複雑なものではなく、各句の初めの音だけ少し低く読む、というだけです。

 

具体的に言うと、

 

きのたのー

りほのいほのー

まをあらーみー

がーころもではー

ゆにぬれーつつー

 

という風に、青文字だけ低く赤文字はすべて同じ高さで読みます。

 

言葉にするのは簡単なのですが、実際にこの通りに読むのはけっこう難しいです。特に、二音目が上がりきらないことがよくあります。

 

とはいっても、すぐにできるようにはなりませんので、最初は意識するだけで十分だと思います。

大山札の読み方

読み方のルールの最後に、大山札の読み方も一応書いておきます。

 

皆さんご存知の通り、大山札は6字決まりの札です(決まり字についてはこちらの記事を参照→競技かるたの始め方(3)ー決まり字って何なんだ?

 

なので他の札のように読むと、決まり字手前で読みがいったん止まってしまうので、大山札は初句と2句目を続けて読む決まりになっています。

 

たとえば、「きみがためはるののいいでてーわかなーつむー」といった感じですね。

 

読みに慣れていないと、大山札を読むときに焦って早くなってしまう傾向があるので、少しゆっくりめに読むことを意識するといいでしょう。

間違えやすい読み方

ここからは、間違えやすい読み方を一挙に公開します。

 

決まり字はさすがに間違えないと思うので、競技自体には関係ない箇所になるのですが、やはり気になる人は気になるので、間違えずに読めるようになりましょう。

「は行」の読み方

まずは間違い代表「は行」の読み方です。本当に間違える人が多発する札ですので、しっかり確認しておいてください。

露もまだひぬ(む)

「む」の札の4句目です。これはそのまま「ぬ」と読みます。「いぬ」と読むのは間違いです。

 

「ひぬ」は漢字で「干ぬ」と書きます。意味はそのまま、干からびないという意味ですね。

 

このように、和歌の知識があれば読み間違いは防ぐことができます。

しおひに見えぬ(わがそ)

「わがそ」の2句目です。これは本当に間違いが多い!

 

「しおい」と読まずに「しお」と読みます。これも漢字で書くと「潮干」となります。

かりほのいほの(あきの)

「あきの」の2句目です。これも間違い多いですね。

 

2つの「ほ」はどちらも「」と読みます。「刈穂」と「仮庵」かけてるという説もあるので、「ほ」と読みたくなる気持ちもわからなくはないですが、両方とも「お」と読むので覚えておきましょう。

区切り方

次に、区切り方で間違いが多い札を紹介します。

 

これも競技に直接関係しないのですが、せっかくなので正しく読めるようここで整理しておきましょう。

もがな(あらざ、なにし、おぐ)

代表的な区切り方を間違える単語です。「あらざ」、「なにし」、「おぐ」のそれぞれ最後に出てきます。

 

「もーがなー」と読むのは間違いで、「もがなー」と一息で読みます。そもそもこれは、「もがな」という一つの単語なので、途中で区切ると違和感しかないのです。

 

似たような単語に、「よのなかは」の2句目に出てくる「もがもな」というのもありますが、これも一息で読みます。意味はどちらも同じで、願望を表します。

なくに(たれ)

たれの最後に出てくる「なくに」ですが、これも「もがな」と同様一息で読みます。

 

「もがな」に比べて間違いは少なめですが、たまに「ともならなーくにー」と読む人がいるので注意しましょう。

からくれないに(ちは)

「ちは」の4句目です。これは珍しいパターンで、4句目すべてを一息で読みます。「からーくれないに」というふうに「から」で区切るのは間違いです。

 

(2021年4月追記)

・・・と、今までは「からーくれないに」が間違いだったのですが、2021年4月からは「からーくれないに」が正しい読み方となりました。

すゑの松山(ちぎりき)

「ちぎりき」の4句目です。こちらも「ちは」と同様、4句目を一息で読むパターンです。「すゑの松山」で一つの単語になっているので、区切らずに読むことになっています。

 

(2021年4月追記)

こちらも、「すゑのーまつやま」が正しい読み方となりました。

かこち顔なる(なげけ)

「なげけ」の4句目です。これは「かこち顔ーなるー」が正しい読み方です。「かこちー顔なるー」になりがちなので注意しましょう。

 

これも「かこち顔」で一つの単語なので、途中で区切らず読みます。

しづ心なく(ひさ)

「ひさ」の4句目です。こちらは「しづ」で区切らず、「しづ心」まで一息で読むのが正解です。もうお気づきかもしれませんが、これも「しづ心」で一つの単語です。

はげしかれとは(うか)

長かった、間違えやすい区切り方シリーズもこれで最後、「うか」の4句目です。これは「はげしーかれとはー」ではなく「はげしかれーとはー」と読みます。

 

理由はもう言わなくてもわかりますね!「はげしかれ」で一つの単語なので区切らずに読みます。

2021年4月から注意したい上の句の終わり

ここからはすべて、2021年4月追記分です。

 

2021年4月からの改訂で、人によっては一番違和感を覚えるのがここだと思います。

大幅な変更点として、「わがい」「よのなかは」「よのなかよ」以外の歌に関しては、基本的に上の句の最後は1文字手前で伸ばすようになります。

 

たとえば、「もも」の上の句の最後、「しのぶにも」は、今後「しのぶにーも」と読む必要があります。

「しのぶーにも」は、間違いとなりますのでご注意ください。

ありあけで聞きなれた読み方でも間違っている可能性が出てきますので、特に公認読手目指している方は気を付けましょう。

 

なお、一部の札(全22首)は、1文字手前でのばしても、2文字手前で伸ばしても問題ないみたいです。

裏を返すと、それ以外は必ず1文字手前で伸ばす必要があるので、個人的に、2文字手前で伸ばしそうだなーと思う札をいくつか挙げておきます。

 

・なにはが(ふしのまーも)

・なげき(あくるまーは)

・わすら(ちかいてーし)

・これ(わかれてーは)

・ちぎりお(いのちにーて)

・ひとも(あじきなーく)

・つき(かなしけーれ)

・しら(あきののーは)

・もも(しのぶにーも)

 

思ったより多かった・・・

迷ったら「わがい」「よのなかは」「よのなかよ」以外は1文字前で伸ばす、というのを徹底するのもありですね。

読みを上達させる方法

さて、ここからは本気で読みを上達させたい人向けに、読みが上達する方法をお教えします。

 

一応B級公認読手にはなれたので、やり方としてはそこまで間違っていないと思います。

自分の読みを録音する

ぶっちゃけた話、これを徹底してやっているだけでうまくなるのでは、と思うぐらい効果的な方法です。

 

これは有名な話ですが、自分の声を聞くのってすごい気持ち悪いんですよね…

 

原因として、自分の声を聞き慣れていないってのもあるんですが、他にも自分の中でよく響いているからいい声だろう、と思って出している声が、外には全然響いていないということがあります。

 

これを解消するためにも、自分の声を録音してよく聞くことが、うまくなるための第一歩です。

 

というか、その一歩を続けていたら自然と公認読手になれちゃうと思います。

舌の力を抜く

次はもう少し難しい話で、舌の力を抜くということについて。

 

私たちが普段話している日本語というのは、ほかの言語に比べてほとんど舌を動かさないらしいです。

 

その結果、舌が声の通る道をふさいでしまっているようなんですね。なので、我々日本人が読んだり歌ったりするときは、舌を意識的に脱力させなきゃいけないんですが、これがまた難しい。

 

難しいんですが、舌を脱力させる感覚をつかむことはできます。

 

その方法というのが、舌を出しながら読んでみるということです。慣れないうちは意外に難しいと思います。

 

もちろん舌を出しているので、まともな発音はできません。あくまでも舌を脱力する感覚を身に着けるための練習ですので、ある程度感覚がつかめたら普通に読んで、その感覚を体に覚えさせましょう。

おわりに

以上、読みについての記事でした。

 

長々と書いてきましたが、結局やってみないことには上達しませんので、読める機会があれば積極的に読んでみましょう。

 

読める人が練習会にいるということは、それだけで大きなプラスですしね。個人的には、最低限の形ができていれば、どんなへたくそな読みでも、ありあけより人の声のほうが好きです。

 

この記事で一人でも読みをしてみようかな、という気になる人がいれば幸いです。

 

それでは!